野生動物への餌やり
2010年 04月 10日
私はそのニュースの2日ほど前に、北に帰るためにウトナイ湖に集まり始めているコクガンなどの野鳥を見に出かけてきたところでした。
以前から、ウトナイ湖では無断で餌を販売している男性があり、苫小牧市当局とトラブルになっています。
市では日本語、英語、韓国語、中国語等で「餌やり禁止」の看板を設置していますが、この男性はそのすぐそばで餌の販売を続けています。
餌遣り禁止の理由としては、今回の事件のように、人間の与えたものが野鳥たちの死の原因になることがある、野鳥間の伝染病蔓延の可能性、餌を求めて陸に上がってきた野鳥の糞で水際が汚れ、人への病気伝染の可能性、そして、安易に餌を得られることによって本来の習性である「渡り」をやめ、越年する個体が増えてきている、などが挙げられています。
一方、無許可販売をしている男性の言い分は、自分の販売しているものは麦や、鳥の飼料であり、観光客が与える、本来野鳥が食べるべきものではない餌(パンや、スナック類)を阻止しているいうものです。
確かに、その日も水面にゴミやビニール袋が散乱していましたから、野鳥がそれを誤って飲み込むことも大いにあり得ます。
私には、市、男性、どちらの考えにも一理あるように思え、自然保護と観光の両立の難しさを痛感しています。
北海道では、天敵であるオオカミの絶滅と保護政策に依ってエゾシカが増えすぎ、食害が問題になっています。
そして、毎年、頭数を決めてではありますが、数多くが「駆除」されています。