「のぼうの城」
2010年 09月 29日
領民や家臣から親愛を込めて、「でくの坊」の「のぼう様」と呼ばれた成田長親が、石田三成率いる2万の軍勢に対し、たった5百(2千の説もあり)の兵力で立ち向かったという史実をベースにした物語です。
主役の「のぼう様」の野村萬斎さん、他の出演者の佐藤浩市さん、山口智充さん、成宮寛貴さんたちが苫小牧ロケに参加していました。
実は、この映画のエキストラ募集に応募し、9月7日の撮影に参加しました。
勿論、初めての体験、しかも時代劇ということで、当日は興味津津でロケ現場に向かいました。
午前9時、苫小牧市の中心部から約25キロ程東に位置するロケ現場に集合、直ぐに衣装部屋(仮設のプレハブ小屋)に行くよう指示され、膝丈の着物、腰巻、手甲、脚絆、等の衣装を渡されました。
戦国時代の農民の衣装をどう付ければ良いのか戸惑うエキストラ達に、衣装担当者が手際よく着付け(?)をし、次は化粧部屋に移動。
頭には手ぬぐいを被せられ、顔、首、両手、両腕まで焦げ茶色のファンデーションやドーランで化粧(?)されました。
慣れないわらじで足を痛め無いようにと先ずは5本指の木綿の靴下を履き、泥で汚してリアル感をだします。
その後は仮設テントで指示あるまで待機となり、初対面のエキストラ同士、あちらこちらで先ずは記念撮影を。
11時頃にお昼のお弁当(いわゆるロケ弁?)と紙パック入りのお茶、みそ汁が配られましたが、他にバナナ、冷水、アイスとホットのコーヒー、レモンティも飲み放題です。
何度も出演している人にこれまでの撮影秘話(?)や俳優の方々の演技やエピソードを聞いているうちに、「農民」の出番は午後12時ごろから始まりました。
鍬や、竹の皮で出来た(頭にかぶる)傘を渡され、少し離れた現場まで移動。
真夏の太陽の照る暑い日でしたので、最初に担当者から、「熱中症等の懸念がある場合は直ぐに申し出るように」と注意がありましたが、いつでも水分補給が出来るようにと冷水や麦茶を積んだ軽トラック、そして看護師さんも現場近くで待機するという配慮がしてありました。
この日のエキストラは、「三成軍に水攻めにされていた村に戻り、復興作業を開始する」と言うシーンで、『自宅は破壊され、田んぼや畑は水浸し』です。
まずは担当者に「演技指導」を受け、リハーサル、更に助監督さんから「農民」の演技や、配置を変えたり、更なる「演技指導」、戦乱後の未だくすぶり続ける「煙」を追加したり、水攻め後の泥沼状態をよりリアルに表現するために更なる水撒き・・・・等々を何度か繰り返した後、監督さんの最終確認が終わりいよいよ本番。
撮影も終盤の午後4時頃、突然原野にひんやりとした風が吹き渡り、ススキがざわざわと揺れ、一気に秋になりました。
午後5時頃、無事に撮影は終了しましたが、これからが又、一騒動です。
なにしろ、拭いても、洗っても泥まみれの手足は勿論、「メイク」がなかなか落ちないのです。
悪戦苦闘の末にやっと現代人に戻ったところで記念として映画のロゴ入りTシャツと、(多分)夕食用の焼きそばとお茶を戴いて一日のエキストラ体験を終えました。
こんな経験はもう二度と出来ないと思いますが、初体験づくしの楽しく面白い一日でした。
そして打ち明けますと、原作の「のぼうの城」は未だ読んでいなかったので、早速買い求めました。
この後映画の撮影は山梨に移り、劇場公開は2011年になるそうです。
勿論、観に行きます!