『夕凪の街 桜の国』
2007年 09月 05日
私の出身地、広島市にも凪の時間帯があります。子供の頃の夏の日、風がピタリと止んだ夕方などに大人達が、「もう直ぐ凪が終わるから、そうすれば涼しくなるよ。」などと話していたのを思い出します。
映画が好きで、以前は月に2~3本は観ていましたがニセコに移ってからは小樽か札幌まで行かなければ見る事ができません。所用で大抵月に一度は札幌まで出かけますので、その際には時間をやりくりして映画館に立ち寄ります。
先月は『夕凪の街 桜の国』を観ました。この映画の「夕凪の街」とは広島市、昭和20年8月6日午前8時15分、世界で始めての原爆が投下された街です。映画は、昭和33年の広島市に住む女性と、平成19年の東京に住む女性を主人公に展開していきます。ストーリーは、下手な説明よりも公式サイトをご覧戴ければと思います。
原作者は、こうの史代さん、広島市出身の女性です。
銭湯のシーンでは体中にケロイドのある女性たちが出てきます。
小学校入学以前の記憶ですが、近所でもこんな人を何人か見かけていました。
原爆ドームも、今よりももっと強烈に被爆の惨状を感じさせられるものでした。
市内中心部を流れる川ぶちのバラックも、昭和40年代までは残っていたとの記憶があります。
今はもう取り壊された古い建物や公園の木や墓地の墓石にも痕跡は残っていましたし、通っていた高校には、当時被爆して亡くなった(旧制中学時代の)在校生の名前がビッシリと刻まれた慰霊碑もありました。父も被爆していますし、原爆は私だけではなく広島に住む人にとっては身近なことです。
戦争反対などとここでことさらに叫ぶつもりはありませんが、この映画をご覧になって戴けたら・・・と思います。生きると言う事、命と言う事についても考えさせられる映画です。